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さいたま市政Topics

『与野本町駅周辺まちづくりマスタープラン』には、中央区における重点施策のひとつとして、「与野中央公園」の整備があげられています(現在、土地買収率・約88%)。 現在、市民団体から公園整備に向けたいくつかの課題が指摘されています。以下、簡単に紹介します。
(1)「ヒ素」の放置:平成20年の土壌分析で、西南地区に発癌物質である「ヒ素」の埋没が明らかに。当初、除去の方針を示していた市は、その後、方針を変更。平成22年に公園計画の見直しを行ない、埋設・放置のままとすることになりました。
(2)「多目的アリーナ」の建設位置の変更:平成5年の基本計画では中央公園の地盤のしっかりした台地沿いの西南角に計画されていた「多目的アリーナ」が上記の公園計画見直しの結果、最も軟弱な地盤の鴻沼川沿いに移ることに。災害時に本当に防災拠点としての機能は確保されるのでしょうか。
(3)「水辺空間」のない公園計画:平成5年の基本計画で計画されていた「水の広場」は、水辺空間への「ヒ素」の流出があるとの理由に廃止。鴻沼地域の歴史や景観・環境を伝える「水辺空間」の全くない公園計画になってしまっています。
(4)費用が高価な「地下式調節池」:鴻沼川沿岸地域の治水目標としている整備水準、時間雨量50mmの治水安全度確保のためには、与野中央公園予定地に計画されている「調節池」=38,000tの整備とともに、現在整備済の大宮駅近くの地下河川よりも更に上流の地下河川2,639mの整備が必要です。
「調節池」整備は埼玉県の担当となるため、現在、市と県が協議中ですが、市側は「地下式調節池」を主張しています。その場合、軟弱地盤へのコンクリート製の巨大な調節池の埋設となるため工費もかさみ、総工費約80億円程度と試算されています。
一方、「地上開放型調節池」とした場合、土工がメインとなり掘削深が浅いため安価となり、地下の採光施設や換気設備等も不要となるために維持管理の面でも有利となります。総工費は約14億円程度と試算され、約66億円も経費が節約できる計算となります。その費用が浮けば、上流区間の地下河川2,639mの整備も十分可能です。